業務案内 船内作業

船内大工作業

基本的には「在来船」と呼ばれる船で作業をします。 使用する材料は、「ワイヤーロープ」「ワイヤークリップ」「ターンバックル」「シャックル」「釘」「角材」「半割」等です。 最近は、環境問題や経済的な問題から、使用する資材にも変化が見られるようになりました。 作業に使う道具は、「ハンマー」と「19mm & 21mm ラチェットレンチ」です

左写真は貨物船の内部で、「在来船(ざいらいせん)」と呼ばれるタイプの船です。
今日の荷役(にやく)ではコイルを積み込みます。 積み込みのための準備を終えて、一番目のコイルが据え付けられたところです。 荷役には、大型のフォークリフトを使用します。


これは、他のホールドですが、コイルが壁際に沿って一列に並べられています。コイルの重さは、大きいもので14トンにもなります。
今日、大工達が固縛作業に使用するのは、帯鉄です。


「ホールド」
貨物を積み込む場所のことです。現在では、上下2層のものが多く、下層をホールド、上層をアッパーデッキまたは中甲板(ちゅうこうはん)と呼び、場合によっては甲板上(かんぱんじょう)にも貨物を積み込みます。

「帯鉄(おびてつ)」
固縛する資材のひとつで、金属の鉄をベルト状にしたものを言います。

コイルが2段目にも積まれ、作業を開始しました。それぞれのコイル同士を帯鉄で結束していきます。 今日の貨物の仕向地は航海に1ヶ月以上かかる遠方なので、隣り合ったコイルは全て結束します。

これが全て固縛の終わった状態です。
次に、船の壁際とコイルの列同士の隙間を見ていただきましょう。


上の写真は家の柱と梁に見えませんか?角材等を使用し貨物や船壁との隙間を突っ張り、固定することをチョッキングと言います。
このような木枠を作って貨物を固定するところから「船内大工」または「大工」と呼ばれています。 船壁が斜めになっていることと、コイルも丸いので、このような場所にチョッキングをするのは、少し工夫が必要です。 木下商会の大工が施工したものは、このようなところのチョッキングでもとても頑丈です。


チョッキングに対し、帯鉄やベルトまたはワイヤーなどで結束することを「ラッシング」と呼びます。

船内大工作業は積み込まれた貨物によって、固定の仕方や固定する量も変化します。それには、仕向地(航海時間の長さ)・貨物の重さ・積み付けの位置などが関係し、その全てを考慮して作業を施工する責任者が全てを取り仕切ります。固縛方法は多種多様ですが、我々の業の基本は「貨物を固定する」ことです。仕向地まで安全に送り届けられるよう、船内大工は日々作業にあたっています。また、環境問題も言われる昨今、固縛資材についても変化が見られるようになりました。新しい資材にも、柔軟に対応できるように船内大工は努力をし日々進化していきます。

TOPへ戻る